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April 10, 2007

変わらない場所。

あの頃のぼくはネクタイをしめて
その町から通勤をしていた。

ふと気がつくとそこに小さなお店があった。
マンションの一階にある小さなお店。

なんのお店だろうと、通勤しながら
いつも思っていた。

そこは小さなCAFEだった。

オーナーは若い女の子。
その子一人でお店をまわしていた。

イラストレーターなんて職業を知らない
その頃のぼくだったけど、
仕事以外の自分の存在の証として
色鉛筆とかで絵を描いていた。

オーナーの女の子と話をして
そのお店に小さな絵を置いてもらった。
色鉛筆の天使の絵。

それから時々、そのお店に奥さんと行っては
おいしいオムライスやおいしいクレープ
おいしいクッキーおいしい紅茶を飲んだ。

やがて仕事が忙しくなり
ぼくはそのお店に絵を置いてもらわなくなった。

そして、気がつけばぼくは会社を辞めて
何でも屋さんになっていた。

オーナーの女の子と話をして
ポイントカードやDM・看板などを
作らせてもらうことになった。

その時、つくった看板が縁で2年くらい
看板屋さんとも一緒に仕事をした。

そしてあいかわらず時々、そのお店に奥さんと行っては
おいしいオムライスやおいしいクレープ
おいしいクッキーおいしい紅茶を飲んだ。
小さな子を抱えながら。

やがてぼくは4年間住んだその町を
離れることにした。

そしてイラストに専念するために
デザインの仕事をお休みすることにした。

そして2年。
結局、その間そのお店にはなかなか行くことが
できなかった。
移転するかも、うちの事情で遠くへいくかも
と聞いていたので、そこにそのお店があるかなと
ちょっと心配していた。

桜が降る4月のある日。
ぼくらはそのお店の前にいた。

いつもと変わらないそのお店。
扉をあけるとそこにはいつもと変わらない場所があった。

ぼくはこの空間がとても好きなのです。
そして、この空間を創ることができる
このオーナーはいつもすごいなーと思うのです。

そしてあいかわらず
おいしいオムライスを食べて
おいしい紅茶を飲んで
おいしいクッキーを買って帰った。

変わらない場所。
でも、きちんと前に進んでいる。
変わらない場所。
変わらない音楽。
あの頃のことが頭に浮かぶ。

そんなお店に出会えたことに
とてもうれしく思う。

またいつかオムライスを食べに行こう。


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この物語はノンフィクションです(笑)

BROCCO CAFE
稲沢市松下1-4-3
グレイス国府宮Ⅱ1F
0587・22・1112

名鉄国府宮駅すぐ近くです。
営業時間・定休日は電話で確認してみてね。


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Comments

変わらずに在り続けるのって,
実はすごいことですよね!
私はかつて東京で暮らしてましたが,
久しぶりにお気に入りの喫茶店を訪ねたら
まったく違う店になってたりして,
そんな時は,なんだか裏切られたような,
おいてけぼりをくったような
すごくさみしい気持ち.
逆に,当時とまったく同じようにそこに存在していると,
思わず「ただいまっ!」って言いたくなっちゃう(笑)

私にとって喫茶店やカフェは,
人生の大部分を占める空間でもあるので
いつまでも変わらないでほしいと願います.

くじらさんも同じような感覚の持ち主なのかな〜と思って,思わずコメントしました〜(*´一`*)

Posted by: ひるね | April 11, 2007 01:31 AM

>ひるねさんへ

そうですねぇ。月日はどんどん知らぬ間に
過ぎていき、久しぶりに訪れた町も
いつも行っていたお店が違うお店になっていたり
田んぼがなくなったり、色々な変化がありました。

そんな中で、自分の好きな空間というのが
そこに変わらなくあったのがとても
ここちよかったです。
で、そんときに久しぶりにオーナーの子と
話をしたんですが、色々次の夢のお話とか
聞いて、でも、その子の場合は単なる夢ではなく
必ず叶うであろう夢なので、それが
またここちよく。

変わらなくて、でも
変わっていくもの。

色々な意味で難しいことだと思うので
すごいなあと思うのです。

ぼくは気まぐれなので、ついつい
ふらふらと変わってばかりなので
色々反省もしています(笑)

Posted by: 森のくじら | April 11, 2007 01:39 AM

はじめまして。
broccoさんのことが素敵に紹介されていて
思わずコメントしてしまいました。
実は私もbroccoのオーナーさんの
作り出される暖かな空気感が
大好きなひとりです。

記事を読んでいて鼻の奥がツンとして、
目頭が熱くなってきましたよ。
過去に移転の話などがあったとは
知りもしませんでした。

オーナーさんとお話してみたいけれど、
お一人でお店のことを切り盛りされているし、
忙しい時間に行ってしまうことも重なって
お話しできずにいます。

次の夢なんだろう。あのお店をやめてしまうことではないですよね。それはあまりにも悲しすぎて。

いつまでも、あの場所に在り続けて欲しいと
心から願うお店です。

コメントしてたら、
クレープが食べたくなってきました。(笑)
突然失礼しました。

Posted by: piko | April 24, 2007 08:58 PM

>pikoさんへ

はじめまして。
こんにちは。
broccoさんの常連さんなんですね。
broccoはいいですよね。
おいしいものがいっぱいで。
でも、何より雰囲気がね。

特にひとりでやってるんで
オーナーの芯にある想いが
ひしひしと、でもきちんとした
距離感を持って伝わってくる感じがね。

その時話した夢の件は、ちょっと
プライベートなことなので書けませんが、
またその時がきたら、きっと
お店にも告知されるのかなとは思います。

と、書いてたら、ぼくもクレープが
食べたくなりました(笑)

broccoさんにお会いしたらよろしく
言っておいてください(笑)
では。

Posted by: 森のくじら | April 25, 2007 12:00 AM

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