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September 15, 2005

作家活動と生計~続芸術論~

というほど大層なものではありませんが、小説化でなく、クリエーターも時に「作家」と呼称することがあります。たとえば、ぼくにしても自分で個展やイベントとかに参加するときには通称「作家活動」と称しています。思えば、ぼくの創作のはじまりは、この作家活動からはじまっています。
それは、まだぼくが本名以外で呼ばれることはなかった頃・・・知人の紹介で急遽イベントというものに出ることになり、その時につけた屋号(実際はその前に一回つかっていたが)が「工房森のくじら」でした。人見知りだけど、お祭り好きなぼくはこのイベントの魔力にはまり、せこせこポストカードなどをつくっては、イベントに出展していました。最初の頃はそれでよかった。しかし、イベントの準備のためには、かなりの時間と労力が必要なのです。量産できるものではなく手づくり作品というのは、原価だけ見れば利益的には良いかもしれませんが、時間と労力を考えると、完売したとしても、なかなか利益が出せません。実際は製作費以外にもディスプレイにかける費用、会場までの交通費、イベント出展料とか含めて経常利益を考えるととんとんにできれば良いほうではないでしょうか。

そんな中でも作家さんたちはイベントに出続けます。そのひとつは、「自分の創ったたくさんの人に見てもらいたいという」想いです。そして、もうひとつは、「そこからまた新しい何かがあるかも知れない」という期待。それはバイヤーに声かけられることかも知れないし、信頼できる仲間と出会うことかも知れない。
さて、ぼくもそんなことを考えてずっとイベントに出ていたのですが、たくさんの仲間はできましたが、作品としては特別ぱっとせず特別大きな動きもなく時が過ぎていき、イラストを仕事にしたときに、ヨコシマなぼくは「利益」という点から目を離すことができなかった・・。そういう意味では純粋さを失ってしまったのです。そう不純です。不純になってしまうと、仕事としてイラストを描くことと、インクジェットでせこせこ印刷するためにイラストを描くこととを天秤にかけて、虚しい気持ちにさえ思えてきてしまったのです。そして、イベントに出ることは「露出」というこれまた味も素っ気もない名目の元に行われ、その結果と照らし合わせますます自分が何をしているかのかよく分からなくなってくるのです。・・・・でいつしか、あまりイベントに出ることは少なくなりました。たしかに仕事が忙しいときもありますが、きっと気持ちさえあればそれはなんとでもなるもんです。それは、ぼくがもう不純だったからしかたがないのです。

さて、そんな自分の話を書きたかったワケではなく(ないのかっ!)、作家さんはどこへ向かっていきたいのだろうとよく考えます。ぼくは当時はイラストで食っていこうなんて、これっぽっちも思ったことがなかったのですが、もし、イベントや個展経由で仕事が発生していたら、これで食っていけたらと思ったかも知れません。「自分が創ったもので食っていく」これは作家さんにとっては目標なのか、それとも、そうでもないのか。もし、前者であるならば、これで生計をたてている人達の、もしくはこれで生計をたてていきたいと思う人達でイベントをやると、なにやら面白そうなものができる気がしました。今の今までは。でも、描きながら考えていたのだけど、なんだか、それもくどいな、と。やっぱり、これで食って生きたい人もいれば、純粋に自分と向かい合ってモノを創っている人もいる、仕事は仕事で楽しみ、もう一人の自分として創作を楽しみ人もいる。それが、本来のイベントのあるべき姿なのかも。
と、今は思う。でも、明日はまたどう思うかはわからない。

追記:企画展とかは「生計」を軸に考えてみるのも良いかなとは思う。

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